NHK交響楽団 2⽉公演 サントリーホール :下野竜也マエストロのファンになった日

N響2月公演@サントリーホール。ひたすら心地よく響く下野&N響サウンドを浴びてきました。あまりに名演だったので、終演直後は語彙力を失っていましたが、何とか感想を書きました。

 

 

概要

f:id:mizusawasan:20210223174658j:plain

基本情報

曲目

 プログラム詳細(機関紙フィルハーモニー

www.nhkso.or.jp

 

 

その他

前後左右を空けた座席で快適です。お客さんの入りはぱっと見で6~7割、といったところでしょうか。中央付近はほとんど埋まっていた印象です。

そして今回初めてのサントリーホールでした!会場、スタッフさんの雰囲気ともに高級感があって良いですね。

 

シューマン/序曲「メッシーナの花嫁」作品100

オープニングはメッシーナの花嫁。前週の『売られた花嫁』はタイトルに反して(?)明るい曲でしたが、こちらはひたすらつらい……苦しい……みたいな曲調で、正直あまり記憶がありません……。予習があまり出来ていなかったのもありますが、ちょっと自分にはまだ掴みきれない曲でした。

フィルハーモニーに『途中管楽器主体の柔らかな旋律(第2主題)が1回目は変イ長調、終盤の2回目には変ホ長調で現れ、2回目の響きは本日のコンサートの「続き」を指し示すことになる。』と書かれていたので注意して聞いていたのですが、さっぱり分かりませんでした!素人には無理っす!音楽難しいですね!(ただ私がばかなだけです)

 

ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」

さて、気を取り直して皇帝です。予習として色々調べたり、音源を聞いたりしていたのですが、どうもあの節約生活をするバラエティ番組のイメージが当日まで拭えず……。

でしたが、曲が始まった瞬間にそんなチープなイメージは吹き飛ばされました。一音目からオケの充実した明るい音が鳴り響き、直後にそれに負けずに明るく豊かな清水さんのピアノの音が続きます。下野さんの指揮のもと、オケとピアノのやり取りもばっちりで、すっと胸のすくような演奏でした。いや~皇帝、名曲ですね!!!

 

シューマン交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」

皇帝に続き、一音目から良い音で、ああ~下野さんの指揮良いなあ~すき!となりました。

快活で明るい第1楽章、広大なライン川をたゆたうような第2楽章、やさしく癒し系でありながらちょっと翳のある第3楽章、そしてひたすら緊張感のある第4楽章。特にこの第4楽章が印象に残りました。それまでの明るさをしまって、ぐっと抑え込むように、最低限の動きで指揮をする下野さんのお姿が脳裏に焼き付いています。重苦しいけれどひたすらに美しい響きに救いの光が薄く見えるような気がしました。そして、うってかわってとにかく明るく楽しい第5楽章。これを最高と言わずに何を最高というのだろうか、という心境でした。

全体をとおして、奇をてらわない、ほどよくメリハリのある作りで、聴いていてとにかく心地よい。これが下野さんサウンドかあ、と非常に感動しました。2月27日のオーチャード定期も下野さん指揮ということでとても楽しみです。

 

www.nhkso.or.jp

 

余談ですが、フルートの中村さんのこちらのツイートがツボで、演奏を聴いている間ちょくちょく思い出していましたが、当の中村さんは涼しい表情で吹いていました(当たり前か)。

  

そして、もはや音楽の本流とは全く関係ありませんが、コロナの影響で指揮者とコンマスソリストが握手の代わりに肘タッチをするのがスタンダードな光景になりつつありますね。自分はそれを見るのがとても好きなのですが、下野さんはエア握手(?)派でした。それを真似したのか、オーボエファゴットセクションあたりの方々が舞台からはける前にエア握手をしあっていたのが微笑ましかったです。そしてフルートセクションはいつもどおり肘タッチをしていたので、中心に向かうにつれて肘タッチ派とエア握手派が混ざってわちゃわちゃしていて大変癒されました。こう、演奏中の真剣なお姿とのギャップが良いですよね。

 

次は月末のオーチャード定期に参加予定です。ブラ4がとにかく楽しみです!