NHK交響楽団 2⽉公演 東京芸術劇場 :ファウスト様の美音に酔いしれる

N響2月公演に行ってきました。フルートセクションのファンでクラシックど素人の感想や自分用メモです。マロ様のお父さんっぷりとファウスト様の繊細で美しい音色が印象に残る演奏会でした。

概要

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東京芸術劇場

基本情報

曲目

 プログラム詳細(機関紙フィルハーモニー

www.nhkso.or.jp

 

『気鋭指揮者、ドイツの名ヴァイオリニストと奏でる中欧の味わい深い響き』と題した本プログラム。ひたすら明るいオープニングから、まさに『味わい深い』繊細なヴァイオリン協奏曲、そして華やかなドヴォルザークの第6番と、元気をもらえるような内容でした。

 

その他

今回は1階席の真ん中あたりのブロックを取ってみました。オペラグラスは不要なほどの近さ(一応持っていきましたが使いませんでした)でしたが、東京芸術劇場はひな壇が低いのか、あいにく贔屓のフルートセクションの方々が見づらかったので、2階席の方が自分としては良いのかなと思いました。木管推しの方は1階席後方(E列まではフラットなので、最低でもF列以降)もしくは2階席以上が良いかもしれません。また、音の迫力はありますが、近いがゆえに独立した音として聞こえる、というのも気になるポイント。もう少し離れた方が、オーケストラとしての響きを楽しめそうです。ただ、指揮者とCMの表情、やり取りがよく見えたのはとても良かったです。

本日のフルートセクションは、主席・甲斐雅之さん、梶川真歩さん、1曲目のみピッコロで菅原潤さんでした。甲斐さん・梶川さんコンビが何だか癒し系ですきなんですよねえ。また、今回のような明るく華やかなプログラムに合っている気がします。
そして、梶川さんは黒マスク(おそらくポリウレタン)の上に白の不織布マスクのダブル使いで登場。Twitterで書かれていたやつだ!とテンションが上がりました。

 

 

スメタナ/歌劇「売られた花嫁」─ 3つの舞曲

前半プログラム1曲目。歌劇「売られた花嫁」は、ボヘミア地方の農村を舞台にしたチェコ語のオペラ。なんやかんやあってハッピーエンドなお話しです。詳しくは上記にリンクを貼ったフィルハーモニーをご参照ください。

終始明るくダンスを踊っているかのような楽しい曲調で、聴いているだけでにこにこしてしまいます。CMのマロ様(篠崎史紀さん)がノリノリで弾いていて、熊倉さんも楽しそうに振っていて、何だか聴いているこちらも楽しく幸せになりました。

 

シマノフスキ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 作品35

個人的に今回の演奏会で一番印象に残りました。とにかくファウスト様の演奏が素晴らしかった。針の穴に糸をとおすような、繊細さを極めた美しい音色に思わず引き込まれます。こんなに繊細な音なのに、オケの音に埋もることなくしっかり響いているのが凄い。

お衣装もとても素敵で、グリーンの植物柄(?)のドレス。よくお似合いでした。この衣装のイメージと、とらえどころが無いようなシマノフスキの曲調から、何となく、霧深い森の奥に住む美しく気高い女王様、というイメージ。

短音をジャッ、ジャッと弾く部分があったのですが、そのときの鋭い目つきが、まるで銃で獲物を撃ち抜くような雰囲気で、無事にわたくしの心臓は止まりました。格好良すぎて惚れます。ありがとうございました。

 

 

 ドヴォルザーク交響曲 第6番 ニ長調 作品60

楽しみにしていたドヴォルザークの第6番。1楽章はすこし不安定な感じがして、おや?と思いましたが、2楽章からは持ち直したような気がしました(気のせいかもしれません)。各楽器がよく鳴っていた印象ですが、全体的にすこしまとまりの無さを感じたのは、これも気のせいでしょうか……。

ただこれは、おそらくオケが指揮者を盛り立てようとしていたからかな、とも考えています。そんな雰囲気がよく伝わってきて、これはこれで面白いな、と思いました。熊倉さんを育てていこう、というN響の意気込みの表れなのかなと。前週に聴いた尾高忠明さんとの熱いタッグとはまた異なる、温かく見守るような雰囲気は、これはこれで良いものです。熊倉さんのこれからに期待したいです(謎目線)。

 

今回は全体をとおしてマロ様のお父さんっぷりが印象に残りました(笑)。曲が終わったあと、笑顔で熊倉さんにお辞儀を促すマロ様、完全にお父さんのそれでした。こんなマロ様を見られただけで、来てよかったな、と思ったり。

 

今回の演奏は、本日(2/17)の19:00~NHK FMのベストオブクラシックで流れるようなので、録音を忘れないようにしたいと思います。

 

www.nhk.or.jp