NHK交響楽団 2⽉公演 NHKホール :大迫力の尾高シベ1に痺れる

2月最初のNHKホールでの公演の感想です。これが書きたいがためにブログを始めたまであります。N響のコンサートを聴くのは2回目だったのですが、尾高さんとのシベリウス第1番に衝撃を受けました。おそらく一生忘れないと思います。

(基本的にクラシックど素人、フルートセクションファンのオタクの戯言です)

 

概要

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基本情報

  • 日時:2021年2月6日(土)6:00pm
  • 場所:NHKホール
  • 指揮:尾高 忠明
  • チェロ:横坂 源
  • コンサートマスター:白井 圭

曲目

 プログラム詳細(機関紙フィルハーモニー

www.nhkso.or.jp

  

その他

お客さんの入りは半分くらいでしょうか。NHKホール改修工事前ラストの演奏会ということで、もうすこし人が入るのかと思っていましたが、空席が多いのはもったいないですねえ……

座席について。前回、初めて行ったN響公演(@東京芸術劇場)では3階席前方の座席を取ったのですが、もう少し近い方が良いな、と思ったので、今回は2階席右側前方の座席にしてみました。結果大正解でした。程良い音の迫力と、オペラグラス無しでも演奏者の表情がぎりぎり見える距離。次回からもここが良いと思うも、ホール改修のためしばらく機会はないのでした。残念。

 

武満 徹/3つの映画音楽

弦楽の組曲。美しく湿度のある音楽が弦楽ならではの繊細な響きで奏でられ、ぐっと引き込まれました。
映画は見たことがないけれど、なんとなく情景が浮かんだのが不思議です。特に『他人の顔』より《ワルツ》が気に入りました。

ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 作品107

そしてチェロ協奏曲。横坂さんの演奏は結構繊細な感じがしました。それまで予習のために情熱的な演奏のCDを聴いていたから余計そう聞こえたのかもしれませんが……。こういう忙しい曲より、アンコールの無伴奏チェロ組曲第2番のような、たっぷり聴かせる曲の方が合っているように感じました。

 

 


ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲は、ホルンが一人という面白い編成。今回の演奏では、首席・福川さんが主役を奪う勢いで、申し訳ないけれど、そちらの方が印象に残りました。横坂さんが弾いているところに、余裕をも感じさせる勢いでぴったりと併走するようなイメージ。いや~素晴らしかった。

 

シベリウス交響曲 第1番 ホ短調 作品39

これが一番印象に残りました。尾高さんはシベリウスが十八番とは聴いていましたが、これほどまでとは……。
クラリネットの仄暗くも暖かみを感じるソロから始まる第1楽章。もうね、第1主題からの迫力が凄まじい。あまりの音の迫力に、ずっと座席の背もたれに押さえつけられたようになって固まっていました。あの、ジェットコースターに乗ってるときの感覚のような、全く動けない状態です。音楽を聴いてこんなことになったのは初めてでした……。
美しく清々しさのある弦、温かく優しい木管、荘厳で迫力のある金管と打楽器。雄大で厳しくも、優しく美しいフィンランド大自然が見えました(何故かたまに長野あたりの高原のイメージが頭に浮かびましたが、それはN響だから?)。
第4楽章は特に凄まじいエネルギーで圧倒されました。曲が進むにつれて情熱的になっていく尾高さんの指揮と、それに全力で応えるN響メンバーが生み出す音の圧。あまりにも素晴らしく、ちょっと泣いてましたね……。最後の4小節ぐらいからピチカートの音が消えるところまで思わず息を止めていて、客席から拍手が聞こえ始めてようやく息が出来るようになりました……。
後日、録音していたFMラジオ中継を聞いたのですが、解説の一柳さんが解説席に戻ってきての第一声が「あ、もうなんか参りました!って感じです」と仰っていて、分かる!!!!!!となりましたね。 

こんな素晴らしい演奏に導く尾高マエストロ、それだけでファンになってしまったのですが、翌日にN響公式Twitterにあげられたお茶目なお姿に完全に落ちました。可愛すぎます……

 

 

ここからは完全にオタクの戯言なので読み飛ばしていただいて構わないのですが、
わたくし、神田先生がきっかけでN響にはまった、にわか神田先生ファンなんですね。この日、初めて神田先生を生で拝見して痺れましたね。
まず立ち姿が美しい。ひたすら画になります。そしてさりげないポケットチーフが素敵。スクエア形というのもイメージにぴったり(ちなみに翌週の甲斐先生はスリーピークスっぽかったです、こちらも素敵でした)。
燕尾服でなくスーツというのはすこし残念ですが、それぞれのお洒落なこだわりが垣間見えて、これはこれでとても楽しいです。

そして神田先生の演奏を聴いて、あまりの上手さに語彙力を失いました。プロに上手いと言うなんて最早失礼極まりないですが、聴いた直後はそれだけでしたね……。
なんというか、すごくまっすぐで意思・意図のある音だけど、主張が強すぎる訳でもなくスッと耳に入ってくる感覚で、感動しました。ますますファンになった一日。これからも機会がある限り聴きに行きたいと強く思いました。おしまい。